レーザーディスクの豆知識 ~カラオケの原点④~

光陰矢の如し。盛者必衰。レーザーディスクは、一時酒場に咲いたあだ花だったかもしれません。

歌手はいいのです、いや、歌唱印税が入らなくなるからよくないかな…。自分が精魂込めて書き上げた歌詞や曲が勝手に使われている。レコード印税は確かに多く入ってくるけれど、カラオケは財源ではないのか。そう思うのもまた人間の算数です。

著作権協会=JASRACが黙っていませんでした。当初は、レーザーディスクソフトにだけ求めていた印税徴収を1曲ごとと要求してきたのです。けれど、全国各地、あるいは全世界に広がっているレーザーディスクカラオケでは厳密に、誰が、いつ、なにを歌ったかを証明することはできません。

それで、1曲200円徴収を決定したのです。

それをお店が被るには金銭的に大きすぎます。内緒で歌わせても、声は外まで響きます。何曲まで1000円とか歌い放題1000円ならば、チャージや飲食費のかかる夜のお店よりも、定額のカラオケボックスで歌ったほうがいいとなります。

また、オリジナル歌手たちも、乱立するソフトの中で、レコード売れ行きにそんなに影響しない流れになってきました。すると、現金なもので、出ないようになりました。

ソフトの演者は、テレビや映画でなかなか見かけなくなった役者が演じるものになっていきました。末期には、海や山の風景のみになっても行きました。

映画のような画面というレーザーディスクの存在意味がなくなってしまったのです。何を歌っても、キレイな顔した人が浜辺で波と戯れるシーンが流れてきては、風情もなにもあったものではありません。

リース会社も、古いレーザーディスクの在庫を抱えるよりも、レコードからCDに音楽ソフトの形態も変わっていったように、通信カラオケという手段を考えだしました。
あっという間に、レーザーディスクは、カラオケの表舞台から退場を余儀なくされたのです。

もちろん、バブル景気にわいた、大型ホテルや旅館などには、今でも当時のレーザーディスクがあります。
セロテープで何百箇所も修復された歌詞カード、歌詞ブックも健在です。そこに最近の曲はありません。

バブル時代に、自前で買ったからです。自己所有なので、JASRACにばれることもないです。旅館やホテルは防音ですからね。今でも、レーザーディスクは、田舎の鄙びた温泉街では健在です、元気です。歌う人もあまりいないかもしれませんが・・・

昨今、配信リリース主流の中でも、レコード盤が見直されて来ています~ただ、国産のレコード針は、山形県の工場のみで作られているので、入手困難です。

レーザーディスクも、待っていれば、また日の目を見る日も来るかもしれません。
大きいので、聴かなくなったCDのように、害虫除けに外に吊るされることもありませんしね。

・レーザーディスクの豆知識カラオケの原点①
・レーザーディスクの豆知識カラオケの原点②
・レーザーディスクの豆知識カラオケの原点③