レーザーディスクの豆知識 ~カラオケの原点②~

昭和55年家電メーカーが、家庭用カラオケ機を発売しました。当時で約20万円程度しました。
テレビ的には、オーソドックスに「NHKのど自慢」の素人が素人のまま出る歌番組、「スター誕生」や「君こそスターだ」などの素人が一瞬でアイドルなれるオーディション式歌番組、プロと素人が10週勝ち抜きでスターを目指す「全日本歌謡選手権」など上級編歌番組が増えていました。

家庭用カセットテープに、自分の声を吹き込んで、何回も練習しても、二台カセットデッキがあるならともかく、一台ではカラオケがかけられません。
そんな渇望感の中、高額でありながら、家庭用カラオケは結構普及しました。

しかしです。聞かせられる方の問題です。みんなが歌えるカラオケ機械は、順番待ちしないと歌えません。マイクを握って離さない人もキリがなくいます。さほど上手くない歌を聞かせられる苦痛。

レーザーディスクは、そんな人々の救世主として、華々しく登場したのです。キャッチコピーは「絵の出るレコード」。
その例え通り、レーザーディスクの大きさは、LP盤レコードと同じくらいです。でも、悲しいかなレーザーディスク、普通のレコードプレイヤーでは再生ができません。

家庭に、レーザーディスク再生機器を置くには、どうしても専用ルームが必要になってきます。また、レコードと同じように、新曲が出たら、ディスクを買い足さなければならい、ディスク1枚が当時の価格で5000円ほどしました。映像が良ければ良いほどもっと高価でした。
家に揃えることは「国民総中流」と呼ばれる昭和元禄でも、難しいものがありました。

そこで、夜の飲食店に再生機器ごとリースする会社が出始めて、アッと言う間に普及したのです。レーザーディスク黎明期の出演者は、その歌を歌う歌手本人でした。歌詞の内容をなぞるような声のでないお芝居をしてくれるのです。

また、アップになって熱唱する映像もありますから、歌う素人としては、歌手本人になり切れます。

また、マイクの順番の回ってこない人たちは、そのセリフの聞こえないお芝居を見ることで、内心ウォーミングアップします。

当初は、まだ著作権協会からの縛りがなかったので、何曲でも、飲み代だけで歌えました。
そして、夜の飲食店だけに、カラオケ景気を持っていかれるのは我慢ならない業者がカラオケボックスなどカラオケ専門店を出店し、お金に余力のある高齢者たちは自宅にレーザーディスク専用カラオケルームを作ったのです。

レーザーディスクが、もっとも勢いのある時代でした。

レーザーディスクの豆知識カラオケの原点③に続く・・・