レーザーディスク豆知識 ~カラオケの原点③~

レーザーディスクは、元々は、映画を家庭で気軽に見てもらいたいというコンセプトで誕生したものです。
「レーザーディスク」というネーミングは、日本の企業であるパイオニアの商標登録です。しかし、呼び名を統一しないと普及するものもしないという起業理念で他社にも無償解放されました。

正直、他の家電メーカーは、ビデオデッキを、ソニー系のベータ方式に乗るか、後発のビクターが開発したVHS方式に乗るか問題で、カラオケ需要を無視していたと思われます。

ある意味、録画再生という観点から見ると、固定されている機種であるレーザーディスクのソフトを作った方が安定した収入源になると、映像会社は踏んでいたと思います。当初は、名画と言われる、版権の切れているものを映像化して、映画館で見るより、自宅でより気軽にということだったと思われます。何度再生しても、一度ソフトを買ってしまえば、その価格で見直すことができます。

しかし、レーザーディスクの豆知識 ~カラオケの原点②~でもあげましたが、自宅にレーザーディスクの再生機器を設置するには、仕掛けが大掛かり過ぎたのです。

業界のフットワークの軽さも幸いしたのでしょう。カラオケ需要に注目したのです。

音楽業界も、ソフトにオリジナル歌手を登場させれば、レコードが相乗効果で売れる。認知度が高まりヒット曲につながる。出演料をもらうどころか、どんな大物歌手も揉み手で、レーザーディスクに出ました。たった3分であっても、主演俳優や女優になれる、そんな気がしたのも否めません。

ソフト業界の企画だけでなく、レコード会社やプロダクションの意向も加味されて、ソフトは毎月たくさん出されていきました。

内容もより効果的で本格的なものも出てきました、ライブハウスから中継的な、演歌やアイドルだけでなく、ニューミュージックの括りでテレビの歌番組にはめったに出ない人も、レーザーディスクには出たくらいです。

当時、アイドルであれば3か月に1曲、演歌勢でも2年に3曲のサイクルでレコードを出していました。自分がその夜のお店に出向かなくても、カラオケ店で歌わなくても、レーザーディスクが勝手にPR活動を担てくれる。

飲食店は元々何坪かの狭い店が多いので、毎月レーザーディスクを新しいものや人気のかるもの、お店だけで流行の兆しがあるものを、業者が交換してくれます。自前で買うより、毎月定額のリースは安い。

どこの店が、最新曲が一番速く歌えるか。人の口から口へと情報は広がって、ますます、レーザーディスクはなくてはならないものになっていったのです。

レーザーディスクの豆知識カラオケの原点④に続く・・・