映像を記録・再生するために使われていたメディアのひとつにレーザーディスク(LD)があります。
CDやDVDのように円盤形で記録面には光沢がありますが記録方式はアナログで、レーザーディスクのなかでも最も長い時間の映像を記録できるものは直径が30センチメートルです。
重さも1枚で500g近く、20g程度のCDやDVDと比べると手に持った時に重量感を感じます。

世界的には1970年代にアメリカでオランダと規格を統一した製品が発売され、日本でも1981年にパイオニアが「絵の出るレコード」というキャッチコピーで国産の家庭用プレーヤーとソフトを発売しました。発売日である10月8日はレーザーディスクの日とされています。

レーザーディスクはプレーヤーもソフトも決して安い物ではありませんでした。
しかし、当時のVHSはさらに高価でレーザーディスクの方が安く売り出すことができたという背景や、テレビ画面の4:3比率ではなく映画館の画面比率に近い16:9のワイドスクリーンでの記録・再生も可能であることなどから映画やアニメなど映像コンテンツのファンに支持され、市場を拡大していきます。

視聴用メディアとしてだけではなく、VHSとは異なってディスクが摩耗しないため店舗用を中心としたレーザーカラオケ、高画質動画を使ったコンピューターゲームなど、レーザーディスクのメリットを生かして利用されました。
一般向けの販売はアニメと洋画のソフトが多く、歴代売り上げのトップは1990年代に発売された映像ソフトが中心です。

多くのメーカーが参入していたもののVHSの低価格化によりレーザーディスクの市場は衰退し、2009年にはパイオニアもプレーヤーの生産を終了しました。

発売当初はレコードやVHSとくらべて半永久的に劣化しないと言われていましたが、湿気を吸収しやすいという特徴があるため空気との接触で劣化しやすく、風通しのいいところで保管する必要があります。
保管ケースや保存袋に入れることで劣化を遅らせることができるものの、レーザーディスクのソフトはサイズが大きいため歪みがちで、横に積み重ねるのではなく縦置きが基本です。

外見から劣化を判断することが難しいため定期的にプレーヤーで状態を確認する必要のあるメディアですが、保存状態によっては30年から50年がソフトの寿命とされています。

レーザーディスクのソフトが最後にプレスされたのは2006年で、2007年には生産停止式が行われました。現在は世界中でプレーヤーもソフトも生産されていませんが、オークションサイトやフリマアプリなどで中古のソフトが多く出品され、プレーヤーも中古品であればAmazonなどで購入ができます。